子どものテストや宿題に丸をつけていて、「合っているか間違っているか」は分かるのに「どう間違えたのか」が分からないことはないでしょうか。私はずっとそこで止まっていましたが閃きました。
どう間違えたか分からないなら分かるものを作ってしまえばいいんだ!!
と、いうわけで私が自分の子ども用に作ったのは、教えるための教材ではなく、どこでつまずいているかを探すための道具です。この記事では、なぜそういう作りにしたのかと、うまくいかなかったところを書きます。
親が本当に困るのは「教え方」ではない
どこが分かっていないかが見えないことだと考えています。
丸つけで分かるのは、×がついた位置だけです。その子が
- 問題文の意味を取り違えたのか
- 解き方は分かっていて計算でつまずいたのか
- そもそも何を聞かれているか分かっていないのか
このどれなのかは、×印からは読み取れません。市販の問題集は「解き方」を丁寧に教えてくれますが、うちの子がどこで詰まっているかまでは教えてくれません。当たり前の話で、全国の子ども向けに作られているからです。
そこで、教える道具ではなく探す道具を作ることにしました。
だから、すぐに答えを出さない作りにした
答えを先に見せてしまうと、どこで詰まったのかが見えなくなるからです。
私が作ったものは、質問されてもすぐには答えを言いません。かわりに問いかけを返します。「この問題は何を聞いていると思う?」「いまどこまで分かっている?」といった具合です。
以前、子どもにAIを「使わせない」は逆効果という記事で、AIに問いかけさせる使い方を紹介しました。あのときは手法として書きましたが、自分で実装してみて、目的が違うことに気づきました。問いかけは「考えさせるため」だと思っていたのですが、もう一つの目的として「どこで止まっているかを見つけるため」でもあります。
答えを出す前に何往復かすると、その子が何を分かっていて何を分かっていないかが、こちらにも見えてきます。
最初に算数を選んだ理由
私の得意教科が数学だからです。ちょっと自慢ぽくなりますが数学だけは理屈と考え方さえ覚えればテスト勉強に時間を割く必要も無いと思ってます。
そんな私が子供が算数でつまづいている姿を見て感じたのは「この子は暗記できたことだけ答えられてできてない部分を考えようとしてないのでは?」でした。実際小学校1〜3年生くらいまでは大人になるとほぼ暗記してるような内容が多いです。九九を計算して答える大人は少ないです、自然に出るまで暗記したはずです。
そこから学年が進むにつれて暗記ではなく思考力を問われるようになる、応用問題となると特にそれらが顕著に問題として現れてきます。
私が育てたいのはまさにそこで、解き方の順序ではなく視点の切り替えと思考力のほうです。図形をグラフとして見る、並んだ数字から規則を読み取って式にする、表の数字を言葉で説明する。こうした「見方を変える」動きは、手順の暗記だけでは身につきません。
だから出題するテーマも、単元ではなく視点の切り替えが必要になる形で切りました。

探すためには、範囲を絞る必要がある
習っていない単元が混ざると、つまずきが隠れてしまいます。
「まだ習っていないから分からない」で終わってしまうと、その子が本当は何でつまずいているのかが見えません。だから習ったテーマだけを選んで出題できるようにしました。画面で選んだ範囲からしか問題が出ません。
範囲を自分で決められるようにしたことで、副次的に扱いやすくなった点もあります。
- 学年をまたげる。進んでいる分野は先に進み、戻りたい分野は戻れます。高校の内容まで同じ仕組みで続けられます
- 出題が毎回作られるので、問題集のように解き切って終わりになりません
- 志望校の傾向を調べさせて反映できます。自分が住んでいる地域の公立高校も、私立の志望校も対象にできます
最後の点だけ補足します。調べさせた傾向は予測であって、的中を保証するものではありません。実際の出題は毎年変わります。私も参考程度に扱っていて、これで対策が完結するとは考えていません。
紙の問題集を捨てる必要はない
むしろ併用しています。
紙の問題集や学校の宿題で分からない問題があれば、カメラで撮って読み取らせ、そこから質問できるようにしました。自作したものと市販の教材は、どちらかを選ぶ関係ではないと思っています。
いま使っている教材があるなら、それを続けたまま「分からないところを掘る係」だけを足す、という考え方もできます。
うまくいかなかったこと
正直かなり苦労しました。探すことを優先しすぎて、しつこくなりました。
すぐ答えを出さない設計にしたので、どこまで問いかけを続けるかの調整に苦労しました。深く掘るほど、その子の理解している範囲は正確に見えてきます。ただし掘られる側はしんどいわけです。かなりしつこいと感じるところまで聞いてくる状態になってしまい、結局、途中で終了できるようにしました。
「探せること」と「続けられること」は、ある地点から両立しません。ここは今も調整中です。
もうひとつ、算数以外はまだまともに作れていません。ですがAIが出題と問いかけを行っているので子供からテーマを渡せば対応してくれます。ここがAIのいいところ。
小中高の授業ならばすでに既知の情報がほとんどなのでハルシネーションの可能性は低いと思ってます。
子どもが良いと言ったのは、思っていた機能ではなかった
これが個人的にいちばん面白かった点です。
1ヶ月ほど使わせて、感想をもらいながら直し続けています。私が力を入れたのは出題や問いかけの部分でしたが、子どもが「これはいい」と言ったのは、メモを書けるスペースでした。
自分で考えた過程を書き留められることに価値を感じたようです。私が重視した部分とは違いました。
子どものつまずきが親には見えないという話をこの記事で書いてきましたが、何を良いと思うかも見えていなかったわけです。聞いてみないと分からない。作ってみて、そこがいちばん腑に落ちました。
作らない人でも、真似できること
アプリを作らなくても、手元のAIに同じ役割をさせることはできると思っています。
- すぐ答えを出させない。「答えは言わないで、質問で返して」と最初に伝えておく
- 範囲を指定する。「習ったのはここまで」と伝えると、未習の単元で会話が止まりません
- 視点の切り替えを聞く。「これは何を聞いている問題?」「別の見方はできる?」
- ★逃げ道を用意する。しつこいと感じたら止められるようにしておく。これは実際に必要でした
具体的な指示の書き方は、子どもにAIを使わせる記事に手法をまとめてあります。
まとめ
- 親が困るのは教え方ではなく、どこが分かっていないかが見えないこと
- だから教える道具ではなく、探す道具として作った
- 算数を選んだのは、思考力と視点の切替ができる力を覚えてほしいから。
- 探すためには範囲を絞る必要がある。習った範囲だけ出題する形にした
- 志望校の傾向は予測として扱う。的中は主張できません
- 探しすぎるとしんどい。逃げ道が要ります
- 子どもが良いと言ったのは、親が力を入れた機能ではなかった
※本記事は運営者が自分の子ども用に作り、1ヶ月ほど運用しているツールについての記録です。教育効果や成績への影響を保証するものではなく、特定の学習方法を推奨するものでもありません。お子さんの学習方法については、学校や塾など専門の方にご相談ください。

