英語の会議で文字起こしを使いたい、と調べると、対応言語数の一覧が並んだ比較記事が出てきます。112言語、99言語、30言語と並ぶと、数字が大きいほうがよさそうに見えます。
ただ、日本語と英語が混ざる会議で困っている人にとって、この数字はほとんど答えになりません。対応言語数というのは「1本の録音につき、この中から1つ選べます」という意味だからです。
混ざったときにどうなるかは、また別のところに書かれています。

「112言語に対応」は、混ざる会議に対応という意味なのか?
違います。1本の録音につき1言語、という意味です。
私が使っている機材の公式ヘルプには、こう書かれています。「Plaud は、1 つの録音につき単一言語の文字起こしとして 112 言語以上に対応しています」。
同じページのよくある質問には、もっとはっきりした答えが載っています。「複数の言語を含む録音を文字起こしできますか?」に対して「現在はできません。Plaud は 1 つの録音につき 1 言語を文字起こしします」。
さらに別の記事が1本立っていて、そこには「Plaud は現在、二言語/多言語の文字起こしには対応していません」と書かれています。非対応の理由も説明されていて、言語が一致しないと誤訳や内容の欠落、表現の不統一が起きて全体の品質が落ちる、という趣旨です。改善に取り組んでいて、精度の基準を満たし次第、対応を広げるとも書かれています。
つまり、比較記事に並んでいる数字は「選択肢の多さ」であって、「混ざったときの強さ」ではありません。この2つは別の話です。
混ざるとき、具体的に何が起きる?
多数派の言語が選ばれ、少数派の発言のほうが崩れます。
言語を自分で選ばない場合、自動検出が働きます。公式の説明では、自動検出が拾うのは「主に話されている言語」です。日本人同士の会話が多い会議なら日本語が選ばれ、途中で挟まる英語のやり取りは、選ばれなかった言語として処理されます。
そして言語の設定がずれると、崩れるのは文字起こしだけではありません。公式のトラブルシュート記事には、症状としてこう並んでいます。
| 出る症状 | 公式の記載 |
|---|---|
| 文字起こしの言語が違う | 音声の言語とは異なる言語になっている |
| 語句が変になる | 誤った音訳のように見える語句が含まれている |
| 要約まで巻き込まれる | 話者ラベルや AI 要約も誤った言語になっている |
同じ記事に、解決しないときの確認項目として重要な一行があります。「複数の言語が混在する録音は自動検出を混乱させることがあります。Auto を使わずに、主な言語を手動で選択してください」。
自動に任せないほうがよい場面が公式に名指しされている、ということです。混ざる会議は、そこに当てはまります。
それでも英語の会議で役に立つ設定が1つある
文字起こしの言語と、要約の言語は別々に決められます。
これは対応言語数の一覧には出てこない情報です。公式のよくある質問に「言語設定は AI 要約に影響しますか?」という項目があり、答えはこうなっています。「いいえ。文字起こしの言語は、音声をテキストに変換する方法を決めます。AI 要約の言語は別途設定し、文字起こしの言語と異なってもかまいません」。
英語の会議を英語のまま文字起こしして、要約は日本語で受け取る。この組み合わせが公式に成り立ちます。
仕事で必要なものを思い返すと、英語の会議で本当に読みたいのは全文の訳ではないことが多いはずです。何が決まったか、次に誰が何をするのか。要約の言語を変えられるなら、そこは日本語で受け取れます。要約テンプレートの選び方で書いた「あとで何を取り出したいか」という基準は、ここでも同じように使えます。
一方で、翻訳そのものには対応していません。公式にはっきり「いいえ。Plaud は現在、言語間の翻訳には対応していません」と書かれています。別の言語を指定して文字起こしをやり直す方法が回避策として案内されていますが、公式自身が「これは本来の翻訳ではありません」「精度は保証されません」と添えています。訳文がほしい場合は、別の道具を用意したほうがよいと考えています。
「あとで直せばいい」が成立しない理由は?
やり直すと、自分で書き足したノートまで消えるからです。
言語を間違えても文字起こしはやり直せます。ただ、公式の説明を読むと、やり直しは軽い操作ではありません。
- 文字起こし時間を消費する。「再文字起こしすると、アカウントの文字起こし時間を消費します」
- ノートと要約が消える。「再文字起こしすると、録音の既存のノートと AI 要約がすべて削除され、新しい文字起こしから新たに生成されます」
- 良くなる保証がない。「同じ音声を再実行しても、より良い結果が保証されるわけではありません」
2つ目が一番重いと感じています。会議のあとに気づいたことを書き足していた場合、それが残らないからです。時間の残量が気になる方は、料金プランの記事で扱った考え方も合わせて読んでみてください。
だから、混ざる会議は録る前に決めておくものになります。
会議の前にやっておくと楽になることは?
主な言語を決めることと、名前を先に登録しておくことです。
1つ目は、その会議で多く話される言語を決めて、手動で設定しておくこと。通訳が入る会議なら、通訳が話す言語が多数派になります。ここは会議の性質で決まるので、始まる前に判断できます。
2つ目は、英語を選ぶときにバリエーションまで見ること。公式の一覧では英語が9種類に分かれていて、米国、英国、オーストラリア、カナダ、インド、アイルランド、ニュージーランド、シンガポール、南アフリカが並んでいます。相手の英語に近いものを選べる場面はあります。
3つ目は、人名と社名を先に登録しておくこと。公式にはカスタム語彙の対応が明記されていて、人名や専門用語、固有名詞を登録できます。海外の相手の名前は特に崩れやすいので、事前に手を打てる部分です。文字起こしの精度を上げる設定で書いた単語登録と同じ考え方になります。
4つ目として、公式は録音そのものを分けることも勧めています。多言語について書かれた記事のヒント欄に「複数言語の音声を単一言語のクリップに分割して、それぞれを対応する言語で文字起こしする」とあります。会議を分けろという話ではなく、前半が日本語の打ち合わせ、後半が英語での確認というように場面が分かれているなら、そこで録音を切っておくという意味です。社外の相手が入る会議でやる場合は、録音の合意を先に取る必要があります。そちらは取引先との会議で録音を切り出すときの記事に書きました。
自分のツールがどうなっているかの調べ方
ここまで書いた仕様は、私が使っている機材の公式ヘルプで確認したものです。他社の製品がどうなっているかは、それぞれの公式情報を見ないと分かりません。当サイトでは実機のない製品のスペックを断定しない方針なので、ここでは比較表は作りません。
代わりに、確認の手順を書いておきます。使っているツールのヘルプセンターで、次の3つを検索してみてください。
- 多言語、または 二か国語(混ざる録音に対応しているか)
- 要約 言語(文字起こしと要約の言語を別に設定できるか)
- 再生成、または やり直し(間違えたときに何が消えるか)
この3つが分かれば、対応言語数の一覧より実務に近い判断ができます。機種選びの全体像はAIボイスレコーダーの選び方に、スペック表の読み方は見なくていい数字と見るべき数字の記事にまとめてあります。
まとめ
- 「112言語に対応」は選択肢の数であって、混ざる会議への対応ではない。公式には「1つの録音につき1言語」と書かれている
- 混ざると自動検出が多数派の言語を選び、少数派の発言と、話者ラベルや要約まで巻き込まれることがある
- 公式は自動に任せず、主な言語を手動で選ぶよう案内している
- 文字起こしの言語と要約の言語は別に設定できる。英語で文字起こしして日本語で要約、が成り立つ
- やり直すとノートと要約が消え、時間も消費する。録る前に決めておくほうが安い
最後に正直に書いておくと、私自身は日本語中心の使い方なので、英語の文字起こしの精度そのものを評価できる立場にはありません。この記事で書いたのは、公式に書かれている仕様と、そこから決められる段取りだけです。
ただ、比較記事の数字だけを見て決めると、いちばん困る場面の答えが手に入らないまま買うことになります。数えるのをやめて、公式のよくある質問を3つ読む。そのほうが早いのではないかと考えています。

Plaud Note Pro
PLAUDより当サイト読者向けに5%OFFクーポンをいただきました
MRNXWCPG2ZVN
下の「Plaud公式ストアで見る」ボタンから進むと自動で適用されます(手動の場合は決済前の画面でこのコードを入力)。公式ストアの全製品が対象です。他のクーポンとの併用はできませんが、セール時は併用できます
価格・在庫・キャンペーンは各ストアの販売ページでご確認ください
参考文献
- Plaud公式ヘルプ「Plaud は文字起こしで何言語に対応していますか?」(2026年8月16日確認)
- Plaud公式ヘルプ「Plaud は二言語/多言語の文字起こしに対応していますか?」(2026年8月16日確認)
- Plaud公式ヘルプ「Plaud は翻訳に対応していますか?」(2026年8月16日確認)
- Plaud公式ヘルプ「文字起こしが意図しない言語になる場合」(2026年8月16日確認)
- Plaud公式ヘルプ「再文字起こし」(2026年8月16日確認)
※対応言語や機能の仕様は更新されることがあります。本記事の記載は2026年8月16日時点で公式ヘルプを確認した内容です。ご利用の際は最新の公式情報をご確認ください。

