「AIの文字起こしは、静かな場所じゃないと使えないのでは」と思っている人は多いはずです。私もそう思っていました。
先日、地域のイベントの打ち合わせでPlaud Note Proを使ったところ、予想と違う結果になりました。同じ部屋で複数のグループが同時に話しているのに、目の前の説明だけがきれいに記録されていたのです。この記事では、その時に起きたことと、どんな条件なら期待できるのかを整理します。
騒がしい場所での文字起こしは、そもそも何が難しい?
難しいのは「音が大きいこと」そのものではなく、AIに渡る音の中で、聞きたい声とそれ以外が混ざってしまうことだと考えています。
具体的には次の3つが重なると苦しくなります。
- 複数の人が同時に話す。誰の発言かを分ける処理が難しくなります
- 部屋が反響する。壁で跳ね返った音が重なって、輪郭がぼやけます
- 話し手が遠い。距離が離れるほど、周囲の音との差がなくなります
メーカー側もここを難所と見ているようで、Plaudの公式ブログには「動きながら発言するプレゼンテーションや、複数人が同時に話す会議のようなシーンであっても、きれいな音声を録音できます」という書き方があります。わざわざこう書くということは、この状況が簡単ではないという前提で作られているのだと考えています。
実際にざわざわした部屋で録ったらどうなった?
結論から書きます。目の前で話している人の声はしっかり残り、周囲の別グループの話し声はテキストに入っていませんでした。
状況はこうです。地域のイベントの準備で、担当ごとに分かれた打ち合わせが同じ部屋の中で同時進行していました。私がいたグループでは、進行役が当日の段取りを13分ほど続けて説明し、途中で別の人が短く質問を挟む形でした。
録音を文字起こしにかけた結果がこうです。
- 進行役の説明が話し手ごとに分かれて記録され、質問を挟んだ人の発言もきちんと別の話者として残っていた
- 他のグループの話し声は、テキストに1文字も混ざっていなかった。雑音として拾ってすらいない状態でした
- 要約では、備品の配置や当日の担当分担といった段取りが、項目ごとに整理されていた
正直に言うと、ここまで割り切って拾ってくれるとは思っていませんでした。後から聞き直すつもりだった部分が、そのまま読めるテキストになっていたのは助かりました。
なお、この時の録音内容は実際の運営情報なので、この記事に文字起こしそのものは載せていません。以下の画面は、PLAUD公式が公開しているデモ用のサンプルですが使用感として正しいと感じてます。

なぜ周囲の声が混ざらなかったと考えられる?
私が特別な設定をしたわけではありません。今回は膝の上に置いて録音しただけです。そのうえで、公式が公開している仕様を見ると、説明がつく部分があります。
Plaud Note Proについて公式に書かれているのは、次のような内容です。
- マイクの構成はMEMSマイク4つとVPU1つ(公式のデバイス比較ページ)
- AI指向性収音技術を搭載しており、比較ページでは他モデルに付いていないNote Pro独自の項目として記載されています
- 公式ブログには「4つのMEMSマイクとAIによる指向性音声収音技術により、ノイズを抑えつつ正確な音声収音が可能」との記述があります
- 最大収音距離は5m(公式)
つまり「どの方向の音を優先して拾うか」を選り分ける仕組みが入っている、ということだと理解しています。今回のように聞きたい相手が近くにいて、雑音源が離れている状況は、この仕組みが働きやすい条件だったのだろうと考えています。
ただし、これは私の環境で起きたことです。同じ製品でも部屋の作りや座る位置で結果は変わるはずなので、どこでも同じようになると断定はできません。が、実際に出力結果を見た時は感動しました。
どんな場面なら期待できて、どんな場面は苦しい?
今回の結果をふまえると、線引きはこうなると考えています。
期待できる場面
- 話す人がほぼ決まっていて、自分がその近くにいる。今回がこれでした
- 雑音の発生源が、話し手より明らかに遠い
- 説明会や講義のように、一方向に話が進む
苦しくなる場面
- 同じテーブルの全員が入れ替わり立ち替わり話す。誰の発言かを分ける難易度が上がります
- 話し手が遠い、あるいは壁が硬くて反響しやすい部屋
- 発言が重なる時間が長い議論
なおピンマイクの記事でも触れましたが、複数人の場を丸ごと記録したいなら、口元に付けるマイクより机に置いて周囲を拾う専用機のほうが素直です。今回の結果は、その考え方を裏づけるものになりました。
要約はどこまで役に立った?
箇条書きの段取りとして読める状態になっていました。
私が助かったのは、13分の説明が項目ごとに分かれていたことです。当日の担当分担や、備品をどこに置くかといった実務的な話が、聞き返さなくても追える形になっていました。会議の音声は「あとで聞き直す」と思っても実際にはやらないものなので、読める形になっている価値は大きいと感じています。

要約の形は、使うテンプレートによって変わります。自分の用途に合わせて選ぶ話は初期設定の記事にまとめました。
ざわざわした場所で録るときのコツは?
特別なことはしていませんが、意識している点はあります。
- 話し手との間に物を置かない。書類やカバンで遮ると、それだけで条件が悪くなります
- できるだけ話し手に近い位置に置く。今回は膝の上でも拾えましたが、距離が開くほど条件は厳しくなります
- 固有名詞は先に登録しておく。人名や団体名は誤変換しやすいので、精度を上げる設定を先に済ませておくと後が楽です
- 初めての場所では短く試し録りする。うまくいかなかったときに取り返しがつかないのが録音です
置き場所そのものの話は講義やセミナーで録音するコツに詳しく書いています。
まとめ:騒がしい=無理、ではなかった
今回わかったことを整理します。
- 複数のグループが同時に話す部屋でも、近くの話し手の声だけが記録され、周囲の声は混ざらなかった
- 公式にはMEMSマイク4つ+VPU、AI指向性収音技術、収音距離5mと記載があり、方向を選り分ける仕組みが働いたのだと考えています
- ただし全員が入れ替わり話す会議や、話し手が遠い状況は別です。条件によって結果は変わります
「騒がしい場所では使えない」と決めつけて諦めていた人には、一度試す価値があると思います。そもそも専用機が必要かどうかを迷っている段階なら、先にスマホアプリとの線引きを読むほうが遠回りしません。実際の使い勝手は本体を2ヶ月使ったレビューにまとめています。

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参考文献
- Plaud公式ブログ「Plaud Note Proとは?」(2026年7月25日確認)
- Plaud公式 デバイス比較ページ(2026年7月25日確認)
※本記事は運営者が実際に使用した記録と、執筆時点(2026年7月)に公式情報で確認できた内容に基づきます。録音の結果は部屋の環境・座る位置・話し方によって変わるため、同じ結果を保証するものではありません。記事中の画面はPLAUD公式が公開しているデモ用のサンプルであり、運営者の録音内容ではありません。

