AIボイスレコーダーが刺さる業種 その8・保育士|連絡帳は、思い出すところから書かなくていい

AIボイスレコーダーが刺さる業種 その8・保育士|連絡帳は、思い出すところから書かなくていい 業種別の使い方
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本記事はAIを利用して作成しています。

今回は職業別シリーズの8回目です。録音や文字起こしの使い方そのものは第7話までに書いたので、ここでは保育に固有のところだけを取り上げます。

私の妻が保育士をしていたので、保育の現場の過酷さは人より耳にしたつもりです。生後間もない赤ちゃんから小学校前までの児童たちの前では、大人が求めるような効率的でスケジュール通りにタスクをこなすということが、どれほど困難を極めるのか。日々そんな現場で余計なことを考えられない状況にいるであろう保育士さんたちに、ささやかでも負担軽減につながる記事になれば嬉しいです。

記録に使える時間が、そもそもほとんどない

保育の記録は、書く時間が確保されている前提で設計されているように見えます。連絡帳、日誌、週案や月案。どれも「あとで書く」ことになっていますが、その「あと」が勤務時間の中にどれだけあるか。

子どもから目を離せない時間は、そのまま手が空かない時間です。メモを取ろうとして下を向いた数秒がリスクになる場面もある。休憩に入っても、その日に何があったかを思い出すところから始めることになります。

結果として、連絡帳やお帳面を自宅に持ち帰って書いている、という話も聞きます。持ち帰りそのものが問題なのはもちろんですが、それ以上に厄介なのは、家で机に向かってから「今日は何があったか」を思い出す作業が始まるところだと思っています。園を出た時点で、細かいところはもう薄い。

連絡帳は、思い出すところから書かなくていい

ここがいちばん大きいところです。その日の音が残っていれば、思い出す作業が要らなくなります。

やることは単純で、保育のあいだは録っておくだけ。手は空けたままで構いません。書くときに文字起こしを開けば、朝の受け入れで保護者が何を言っていたか、昼前に誰と誰がどう関わっていたかが、言葉のまま出てきます。記憶をたぐる時間がまるごと消えるので、書き出すまでが早くなります。

保育中は、何を記録に残すかを選べません。手が塞がっているうえに、目を離せない。だから選ぶ場所を、保育のあとへ動かす。順番を入れ替えるだけですが、持ち帰る理由のうち「思い出す時間」の分は削減できます。

出てきた文字起こしをどう扱うかはAIの要約はどこを直せばいいか、溜まってきたときの探し方は文字起こしが溜まって探せないときの3つの習慣にまとめています。

出られなかった話し合いも、同じ中身が届く

園内研修や職員会議に全員がそろう日は、そう多くないはずです。自己評価ガイドラインにも、勤務時間や形態が多様なことを踏まえて、一度に集まれない場合は会議を複数回・短時間に分ける配慮が要る、という書き方があります。

いま行われているのは、出た人が要点をまとめて伝えるか、資料を回覧する形だと思います。ただ、まとめて伝えた時点で、誰がどう言ったかは落ちています。

音が残っていれば、出られなかった人にも同じ中身が届きます。複数回に分ける場合も、2回目は前回出た話の補いから始められるので、同じ説明を最初からやり直さずに済みます。申し送りの場面については第5話・看護師で近いことを書きました。

経験の長い人の「なぜ」が、その場で消えない

長く現場にいる人が「この子には、いまは声をかけない」と言ったとして、書式に落ちるのは対応の結論だけ。なぜそう判断したのかは、たいてい口頭で一度だけ言われて終わります。

これは記録の仕組みが足りないという話ではなく、本人にとっては説明する必要のないことなので、言葉になっていないだけだと考えています。理由が出てくるのは、たまたま話題がそこに向いたときです。

長年の経験で進めるやり方が古い、という話でもないです。そこには書式に落ちていない判断が入っていて、要約した時点で最初に落ちるのがその部分になります。この論点は第4話・現場監督で先に書いたもので、第7話・教員にも同じ形で出てきました。シリーズの縦の串です。

残すのは、管理のための記録ではありません。教わる側が自分のために残す材料です。

ただし、子どもの姿は音では残らない

うまくいかない側も書いておきます。

保育の記録として国の文書が挙げているのは、写真や動画や保育環境の図です。音声は挙がっていません。子どもの表情や動作、つくったもの、遊びの広がり方は見て分かるものなので、当然だと思います。音声で残そうとしても、そこはほとんど写りません。

なので、録音が働くのは子どもに向いている時間ではなく、大人が言葉にしている時間のほうです。保護者とのやりとり、職員同士の話し合い、園内研修、そして保育のすぐあとに自分で声に出す振り返り。子どもの姿そのものを残したいなら、写真のほうが早いと思います。そこは園側で判断するべきところだと思います。

制度の側も、記録は「振り返るため」と書いている

最後に、かしこまった話をまとめて置いておきます。飛ばしても本文の理解には困りません。

保育所保育指針は、記録をこう位置づけています。

保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。

自己評価ガイドラインには、もう一歩踏み込んだ書き方があります。

同時に、「記録する」という行為自体が、保育を振り返る過程の一部としても捉えられます。保育中の出来事や子どもの姿について、何を・なぜ記録に残そうとしたのかは、保育士等がその時捉えた子どもの育ちや心の動き、保育士等自身の思いや願いを反映したものと言えるからです。

つまり、選ぶこと自体が振り返りだと書いてある。ここは押さえておきたいところで、録音は全部を残すので、選ぶという行為が入りません。録音したファイルは、そのままでは記録になっていない。

裏を返すと、録音の役どころもはっきりします。記録そのものではなく、選ぶ前の材料です。選ぶ行為は自分に残したまま、選ぶ場所だけを保育のあとへ動かす。この形なら、指針が求めている振り返りを削らずに済みます。ガイドラインは効率化の工夫としてICTの活用も挙げているので、方向としてもぶつかりません。

守秘義務は児童福祉法に書かれています。

保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなつた後においても、同様とする。

このシリーズでは同じ形を何度も見てきました。第3話・士業では税理士法と社会保険労務士法、第7話・教員では地方公務員法。義務が職を離れた後も続くところは共通です。手元の端末に残っていれば、辞めたあとも自分が持っていることになるので、いつ消すかは録音データはいつ消せばいいかを参考にしてください。

そのうえで、順番はひとつだけ決まっています。園の方針が先です。子どもの声や保護者から聞いた話が入る以上、個人の判断で持ち込む種類のものではありません。データがどこへ渡るのかはデータの扱いをまとめた記事に整理してあるので、園に相談するときの材料に使えます。言い出し方そのものはAIで議事録を録りたいと言い出しにくいときへ。

まとめ

連絡帳を書くとき、思い出すところから始めなくてよくなる。これがいちばん大きいところだと思います。出られなかった話し合いの中身も、経験の長い人が一度だけ口にした理由も、同じように残ります。

一方で、子どもの姿は音では残りません。何を残すかを選ぶ行為も、録音では置き換わらない。できるのは、選ぶ場所を保育中から保育のあとへ動かすところまでです。

保育は、子どもから目を離せない時間がそのまま仕事の中身になる職種だと思います。書類のために目を離す時間が短くなるなら、それは業務の効率化というより、保育に戻せる時間が増えるという話になる。園を運営する側や制度の側にも、記録の手段を選ぶ余地をもう少し広く見てもらえたらと考えています。

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参考文献

  • 厚生労働省「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」(2020年3月。現在はこども家庭庁のサイトに掲載) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/200fee36/20231016_policies_hoiku_80.pdf (2026年9月13日確認)
  • こども家庭庁「保育」 https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku (2026年9月13日確認)
  • 児童福祉法 第18条の22(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 (2026年9月13日確認)

本記事は指針・ガイドラインと法令の公開情報にもとづく一般的な整理です。録音の可否、記録の取り扱い、保護者への説明については、所属する園および自治体の取り決めをご確認ください。

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